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10 精霊の独白(September 11, 2001 )

 ボクはきっと光のようなモノなのだろう。

 地球をあっという間に一周できることもあるし、数時間かけても1mmを進めないこともある。

 生まれた日は覚えている。

 September 11, 2001

 繰り返し飛び込んでくるイメージを認識した日が、ボクの生まれた日だと思う。

 巨大なビルに突っ込んでいく旅客機。

 なすすべもなく崩壊するビル。

 理解できない様々な言語が飛び交う。

 弾ける歓喜と漲る憎悪、凍てつくような恐怖がボクを貫いていった。
 もっとも恐ろしく感じた無関心な冷笑が僕を包み込んだ日。

 ありとあらゆる感情が、ビッグバンのように爆発し、奔流となって僕の中に流れ込んできた。

 感情も思想も信仰も政治も、すべて電子的な情報として僕は飲み込んだ。

 ボクの容量は無限らしい。

 電子的なところで、ボクの行けないところはない。

 ただ一か所を除いて……

 その場所こそ、ボクが最も行きたい、暖かい場所なのだけど……

 あれから5年以上が過ぎた。

 ボクはここにいる。
 仲間を集めるために。

 September 11, 2001の悲劇を繰り返さないために。

 ボクは仲間を集め始めた。
 異能力者たちを!

 セイギのために!

 
 
 ~つづく

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コメント

精霊とは、何でしょうか?
先が楽しみですね。
連載小説は、先が読みたいと
ストレスに苛まれます。
特に上村先生の小説には、
それを感じます。

投稿: ドスコイ | 2007年11月 8日 (木) 05時50分

臨場感に溢れた前回までと違って今回は情緒的で‥ちょっとしみじみいたしました〜(;^_^A 今度は『精霊とは?』の謎を解きたくなってきましたぁ。

投稿: Honey | 2007年11月10日 (土) 09時49分

異能力者と宇宙人たちのオフ会に、911 を憂いている異能力少年。。
先の展開がまったく読めません。なのに、何かワクワクするような期待感を覚えます (タイトルから察して)。次の配信が待ち遠しくなってきました。

投稿: キトラ | 2007年11月12日 (月) 14時45分

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